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執筆者の写真Zen Voice Factory_ZN

第11聲 僕のボイトレLV.3 知覚音声学から「音」を人がどう感じるか?の仕組みを知り効果的な表現力をトレーニング!!



僕のボイストレーニングは2019年11月現在で

3段階、または3つの要素があると考えています/

その中で3つ目のお話です

3つが何かは

をご覧ください!


さて僕が勉強している音声学という学問には

「聴音音声学」「音響音声学」「知覚音声学」の分野があります。

その中で【耳から聴いた音声を人はどのように感じるか】

を扱うのが「知覚音声学」になります。

脳科学や心理学といった面も多くなってきます。

まずは分かりやすい著名な研究を例に挙げてみます。

アメリカの言語学者Edward Sapir(1929)は

大きさが大きく異なる大小のテーブルの絵と

「mil」「mal」という二つの無意味語を用意し

どちらのテーブルにどちらの名前をつけるか選んでもらう

という実験をしました。

さあ、これを読んでくれているあなたはどう直感で付けましたか?

別の例では僕のボイトレLV3において

大変参考にさせて頂き、先日スタジオにもお越しいただいて

画期的な勉強会を生徒のプロ声優さんたちと共に行って頂いた

慶應義塾大学の川原繁人先生は「ガンダムとカンタム」

「ゴジラとコシラ」はどちらが強く感じるか?

「ワマナちゃんとサタカちゃんはどちらが気が強そうか?」

などの例を挙げられています。

※川原先生の著書【「あ」は「い」より大きい!?音象徴で学ぶ音声学入門】 (ひつじ書房)

かなりオススメの本です!!

これらのこれらの実験は

面白いくらい同じ回答が得られます。

最初のSapirの例で言うと

大きいテーブル→mal

小さいテーブル→mil

と思った方が多いのではないでしょうか。

これは「a」という音が

音声の波形的にも口の開け方的にも人に大きい印象を与え

「i」という音は逆に小さい印象を与えるからなんです。

アメリカの研究ですが

もちろん生徒の日本人にも同じ回答が

僕のアメリカ出身の英語の先生に質問しても同じでした

若干発音が違う「aとi」でも国が違っても同じ傾向があるのです!(面白い!)

濁点がつく可能性がある文字

「か、さ、た」などの阻害音は「強い、硬い、男性」

「な、ま、わ」など共鳴音​は「優しい、柔らかい、女性」

のイメージを持ちやすいです。

これを「音象徴」といい

ある程度、人に同じような印象を与えるものを

「音象徴パターン」というものが存在します。

感情においても

そのような音を人は「楽しそう、悲しそう、怒ってる、皮肉ってる」

と感じるかというものが存在します。

考えてみれば

こういった共通の仕組みがもしも存在しなければ

全く持ってコミュニケーションは成立しませんよね

音楽を聴いてもドラマを観ても

全く感情が理解できないなんてことになりそうです。

さて歌手や役者はよくトレーナー、演技指導の先生に

「感情をもっと込めて!」と言われると思います。

中々難しいですよね。

音の持つ仕組みを少しでも理解すると

もっと感情表現は生まれ、人に伝わりやすくなると考えています。

歌やお芝居だけでなく普段の生活においても

少し円滑にコニュニケーションができるとも思います。

音声の研究者の方々はこのような研究をされています

(僕も関わらせていただいてます)


アジア圏ではお葬式において「泣き女」という職業もあり

人の悲しく泣く声に周りも悲しみを抑えず表現できる

この悲しみをしっかり表現するという事が

心の健康においても大切なのではないかと言われています。

今の日本を見ても、そもそも日本はあまり感情を表現するよりも

グッと堪える、淑やかに、などが美学だったり

最近はより人とのぶつかりを過度に避けるが故か

教育か、環境か、心に抱え込む事も多いように思います;

感動する音楽や映画、沢山笑えるお笑いも

そういった心に必要な栄養をあたえてくれる職業なんですね。


​そんな方々をサポートする職業の僕は

そんな音声の仕組みを考えながら

ライブではリスナーのハートをガッチリ掴む音声の技術

オーディションならディレクションされる方のハートを掴む

いわばオーディション対策

こういった技術を教えていきます。

この技術を理解し体得していくには

まずLv1の発声に使う各筋肉群が繊細に自由に動くことができないと

理解をしていても実際に出すことは難しく

所詮は理論で終わってしまうので

勿体ないのです。​

よく【言霊がある】と言われますが

こういった音声の持つ性質が人に与える影響

「音象徴」が言霊の一つなのかもしれません。

音声は紐解いていくとワクワクするほど面白く奥深いし

できると本当に楽しいです!

みなさんにぜひ味わってもらいたい分野です。

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